3.損をしている人には共通点がある

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(3)損を切らず大きくしてしまう

損を繰り返している人は、ほとんどの場合損切りをせず、含み損を大きく抱えがちです。

長期のトレンドというものはなかなか転換しません。ですから、損を抱えだすと、3か月、6か月もっと言えば2年、3年と損を抱えた状態になります。

 

信用取引でなければ、「損切りしないで持っておいたほうがよい」という声があります。

たしかに、よほどの高値で買ったのでなければ、いずれ株価は戻るでしょう。ですが、それはいつですか?

 

景気のサイクルは、日本では7.5年、アメリカでは10年などを言われます。長期に上昇が続いた後は、とくに下落は大きくなりやすい。

 

3年間損を抱えるということは、その間建玉のお金と含み損分のお金が使えなくなります。3年間損を抱えていることを容認するということは、3年間何も運用しないということ、リスクゼロでお金をもつことと結果同じです。なのに、3年間リスクを抱える。その企業価値がなくなるかもしれませんし、倒産するかもしれない。

 

もし、早い段階で損を切ることができれば、含み損分のお金は却ってきませんが、建玉分のお金は使えるようになるのです。

 

A社の株をもっていて含み損を抱えている場合を考えてみてください。

もともと100万円でA社の株を買っていて、今20%の含み損がある。

これは今、80万円分の価値があるということ。

 

トレンドをみると、週足も日足も下落の方向を示しているとします。それだけ強い下げ圧力がかかっている。(だからここまで20%も下落しているのですが)

まだまだ下げていきそうな気もするし、でも20%も下落したのだから上がるかもしれない・・・。

 

どうでしょうか?ここまでくると、ばくち、ですね。そして下落すれば、先ほどの例のようにさらに大きく下げ、長い間使用不能なお金ができてしまいます。

 

こんなとき、冷静になってみてみると、株価が80万円のB社の株があったとします。この株は週足で上昇トレンドを示し、日足も上昇トレンド、そして日足では少し修正が入ってトレンドラインに非常に近いところにあります。

つまり、近いうちに大きな上昇を起こすことが期待できる銘柄です。

こういうものがすぐ側にあったとき、それでもあなたはA社の株を持ち続けることにこだわりますか?

 

「B社の株だって下落に転じるかもしれないじゃないか」

 

という声もあるでしょう。

その通り。ですが、A社が下落し続ける確率とB社が下落に転じる確率、B社が上昇し続ける確率をそれぞれ比べた時、この声は冷静な心の声でしょうか?

 

私には、自分のした行為や判断の間違いを認められない自己弁護にしか聞こえません。

 

もちろん、長期にわたり、いわゆる塩漬けにしたいのなら、それもよいでしょう。

 

でも、運用というのは、一定の期間でお金が増えてナンボ、なのではないでしょうか?

 

損をしている人に非常に多く共通するのは、こうした「損切りができない心理」です。

 

安心してください。含み損を抱えている段階で、もうその株は「購入価格―含み損分」の価値しかないのです。損切りなんて言葉は、そもそも存在しないのです。

 

今の負の状態にいかに早く見切りをつけて、可能性の高いものを選択する。これができれば、損を繰り返すことにはなりにくくなります。

 

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