株式とは、もともとは会社を作るにあたって必要な資金を集めるために、発行するものです。
たとえば、1億円の資本金が必要で、手元にまったくお金がない場合、1,000枚の株式を発行したとしたら、1株あたりの額面は10万円となります。その時点では株価×発行株式数が会社の資産総額となります。株価はその株を所有する人の権利の価格ともいえるでしょう。
ただし、一般に会社は金融機関からの借り入れを行うため、資産全体は大きく膨らみ、必然的に株価も増えます。理論的には総資産/発行株式数=株価だからです。
そして会社は生産活動を行い、利益が増えると株価は理屈上、上昇することになります。
ですが、実際の株価は、会社の見通し以上に変動します。なぜかというと、そこには見込みや予測が働くからです。
会社は株主や金融機関に対して、見通しの発表と結果の報告をします。
たとえば会社が見通しを昨年より110%になりそうだ、と発表したとき、「もっと業績がいいだろう」という声が市場参加者の間ででてくれば株価は噂が噂をよび値段を上げていきます。
今まで市場参加者が悲観的に見通しを考えていたとき、会社が中間決算発表でよい見通しを発表した場合などは、サプライズとして株価は一気に跳ね上がります。
株価は、会社の将来を表すものですが、人の心理で動くものでもあります。また、近年では機関投資家とよばれる金融機関が意図的に株を売り買いし、市場の価格と人の心理に大きく影響を与えることが多く出てきました。
もう一つ、株価が大きく動く要因は、景気です。例えば東京株式市場の日経平均株価は、指定銘柄の平均株価から算出される株式指標ですが、景気が悪くなる(と見通される)場合、下げていきます。景気が良くなると見通された場合はその逆に上昇します。日経平均などの株価指標と株の関係は、いわば川と魚のようなものです。どんなに元気のいい魚でも、川の流れが一気に強くなった時、それに逆らうことはむずかしいものです。
このあたりのことは後半で詳しく触れたいと思います。